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漁師に必要な免許とは?漁船の操縦やキャリアアップに取得したい免許を紹介

2022.06.03

漁師になるために免許が必要かどうかは、どんな漁業を行い、どんなスタイルで働きたいかなど、目的や働き方によってそれぞれ異なります。今回は、漁師の仕事の種類ごとに役立つ免許をご紹介します。

 

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漁師はどんな仕事?

 

漁師とは言葉の通り、漁業を生業にしている人です。漁業は、人工で育てる養殖漁業と、天然の獲物を狙う漁船漁業に分けられます。

ご存知のとおり、どちらの方法で確保した海産物も多く流通し、日本の食卓を支えています。

 

養殖漁業は、稚魚を育てる所から始め、食べられる大きさになると出荷します。トラブルの対処や、環境や餌の工夫をすることで、成果として返ってくる点が醍醐味です。生育を見守るため、根気強さや変化に気づく観察力などが必要になります。

 

漁船漁業は、海で育った天然の魚や海藻類を獲ります。このとき特に求められる能力は、やる気や体力、協調性などです。漁場の場所や狙う獲物によって異なりますが、一度出港すると、しばらく船で寝泊まりする必要があるため、適応力や忍耐力も大切です。

 

漁業は、狙う獲物や漁を行う場所によって主に4種類に分けられます。その種類やどんな規模の船で行う漁なのかを紹介します。

 

湖や川で行う内水面漁業

 

河川や湖、沼で行われる漁業です。獲物は、サケ・マス類、シジミ、アユ、ワカサギ、コイ・フナ類、ウナギなど、日本で古くから親しまれた和食文化と関わりの深い魚です。

また、湖・沼ではコイの養殖、養殖池では、ウナギやマスの養殖が行われています。内水面漁業は、漁村文化や伝統料理に結びつく守るべき漁と考えられる反面、生態系が環境変化の影響や特定外来生物の被害を受けやすいため、産卵場所を確保するなどの保護活動や、特定外来生物の防除など、維持・保全する取り組みが行われています。

 

【漁法】

投網や地引網など

【船舶】

10トン以下の小型船

 

浜から近い海で行う沿岸漁業

 

沿岸漁業は、浜や港からそれほど遠くない海で行う漁です。ほとんどが日帰りで、地域や季節に合った獲物を狙います。日本の漁師の8割以上が沿岸漁業に携わっているというデータもあります。採れる海産物はアジ、サバ、タイ、ヒラメ、イカ、タコ、カニなどです。カキやワカメなどの養殖も沿岸漁業に含まれます。

 

【漁法】

魚の習性を利用した定置網漁、魚の群れを網で囲むまき網漁、小型底曳き網漁、など魚の特性を利用して仕掛けや網を駆使する漁が主になります

【船舶】

10トン以下の小型船

 

沿岸よりさらに沖で行う沖合漁業

 

日本の200海里(370.4km)水域内で操業します。期間は船の規模や狙う獲物の種類によりさまざまで、およそ2、3日帰港する漁船もあれば、1ヶ月ほどかけて漁場を回る漁船もあります。漁獲量は日本の半分ほどを占め、サンマ、サバ、アジ、イカなど食卓でもよく見かける海産物が主な獲物です。

 

【漁法】

魚種や漁場によりさまざまですが、複数の船を使いチームワークで回遊する魚を囲い込む巻き網漁や、底引き網漁が多く行われています

【船舶】

20~150トン程度の船に4~15名程度が乗船

 

世界の海で行う遠洋漁業

 

太平洋、赤道直下にあるインド洋、南大西洋、北大西洋など世界の海が漁場。およそ50日から1年という長い期間をかけ、採算のとれるマグロやカツオなどの魚が主な獲物になります。最近は、魚の減少や漁業のできる場所の制限などがあり、漁獲量も上げにくくなっています。

 

【漁法】

一本の長い縄に約3,000本もの針をつけ漁場に仕掛けるマグロのはえ縄漁や、釣竿を使うカツオの一本釣漁、大きな網を使うトロール漁、遠洋底引き網漁などがあります。

【船舶】

200〜500トン(遠洋マグロ船)

400〜500トン(遠洋カツオ船)

135〜500トン(イカ釣り船)など20名前後で乗船

 

漁師に必要な免許

 

船長が操舵する船に乗って漁をするだけであれば、特に免許は必要ありません。しかし、自分で漁船を持ち独立開業したい、職場で強みなどを発揮し信頼されたいなどと考えているなら免許を取得することをおすすめします。漁業の種類により必要な資格は異なるため、仕事内容に応じて合ったものを選びましょう。漁業にまつわる陸での仕事、海での仕事に役立つ免許を紹介します。

 

陸での漁師の仕事に役立つ免許

 

  • ・普通自動車第一種運転免許

そもそも自動車は、港町で移動する足として必要な場合があります。早朝や深夜に出港する漁であれば、公共交通手段が動いていない時間帯に移動をしなければならないため、運転免許と自動車が必須です。また、獲った魚の配達を依頼された場合にも役立ちます。

普通自動車第一種運転免許は、自動車学校を卒業し、試験に合格すれば取得できます。

     

    • ・フォークリフト運転技能講習修了証

    最大積載重量1トン以上のフォークリフトの運転ができる免許です。漁に使う道具の積み降ろしの際や海産物の運搬に役立ちます。

    フォークリフト運転技能講習修了証は、規定時間の講習を受けて取得します。

     

    海での漁師の仕事に役立つ免許

     

    • ・海上特殊無線技士免許

    第2級海上特殊無線技士は、日本沿岸や近海の海域で無線の操作ができます。第1級海上特殊無線技士は世界中を航海する際に通信やレーダーを扱うことができます。

     

    無線は、万が一のトラブルの際や漁をする上での情報交換など、海上で連絡を取り合うために使います。海上特殊無線技士免許は、学校やスクールなどで養成課程を修了するか、国家試験に合格すると取得できます。

     

    • ・潜水士免許

    潜水具を身に着け、水中で長時間作業を行うことができる国家資格です。漁師の仕事においては、船の点検やメンテナンス、海底の様子の調査、水産物の収穫などがあります。

    潜水士免許は、実技試験などはなく筆記試験のみで取得可能です。そして実務で活躍するためにはトレーニングや経験を積み技術を磨く必要があります。

     

    漁師の独立開業に欠かせない小型船舶操縦士免許

     

    漁船を持ち、自分の力で海に出て漁師として生計を立てられたらかっこいいですよね。もし漁師として独立開業するなら、漁船を運転するための小型船舶操縦免許は欠かせません。

     

    日本で小型船舶操縦士免許とよばれる免許には、特殊小型船舶操縦士免許、一級小型船舶操縦士免許、二級小型船舶操縦士免許の3種類があります。特殊小型船舶操縦士免許は、通称水上バイク免許とも呼ばれ、水上バイクやジェットスキーを運転する専門の免許です。そして、漁師に必要な舟を運転するための免許が、一級小型船舶操縦士免許と二級小型船舶操縦士免許です。

     

    一級も二級も操縦できる船の大きさは同じですが、操舵できる海域が異なります。浜や港からそれほど遠く離れない内水面漁業や沿岸漁業なら、二級小型船舶操縦士免許でも可能です。ですが、沿岸漁業より沖合に出て200海里内にて操業する沖合漁業や海外の海を漁場にする遠洋漁業などは、一級小型船舶操縦士免許が必要になります。なお、100海里(185.2km)を超えてさらに遠くで操業する場合は、一級小型船舶操縦士免許を持つ人のほかに、エンジントラブルにも対処できる六級海技士(機関)以上の乗組員が必要です。

     

    それでは、それぞれの免許について紹介します。

     

    一級小型船舶操縦士免許

     

    満18歳以上から取得可能で、取得すればすべての海域(例外を除く)で船舶の航行が可能になります。運転できる船舶は20トン未満の船です。

     

    一級小型船舶操縦士免許は、スクールに通い学科や実技の講習を修了するか、実技、筆記からなる国家試験に合格して取得します。また、どちらの場合も身体検査結果が審査に含まれ、視力、聴力、その他操縦が難しい疾病がないかなどを調べます。

     

    二級小型船舶操縦士免許

     

    満16歳以上から取得可能で、取得すれば海岸から5海里(約9km)以内で船舶の航行が可能になります。運転できる船舶は、一級と同じく20トン未満の船です。

    免許も1級と同じく講習を修了するか、国家試験に合格する必要があります。また、身体検査の審査も必要です。

     

    船舶免許取得はスクールに通う方法がおすすめ

     

    船舶免許試験の国家試験に合格するには試験対策が必要なため、独学やスクールで学習する方法があります。独学での受験が向いているのは、知識や操縦技術を磨く環境がある、またはすでに実力が備わっている場合です。ですが、これから試験対策を始めるという人は、スクールに通う方法がおすすめです。

     

    卒業者数全国1位、全国にスクールがあるマリンライセンスロイヤルでは、講義や実技講習を受け、すぐに国家試験受験にかわる審査を受けられるため、合格率が高く、短期間で免許を取得できます。コースもさまざまな種類があるため、忙しい人も自分に合うものを選び計画的に進められます。

     

    免許を取得してステップアップ

     

    漁師は免許がなくてもなれる職業ですが、強みを身につけ仕事の幅を広げたり、独立開業をしたり、という場合は免許が必要になります。船舶免許をはじめ、取り組んでいる仕事に合う免許を取得してステップアップしましょう。

     

     

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