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船舶免許実技試験の難関ポイント「着岸・離岸」を徹底解説!

2022.07.14

一級・二級小型船舶免許の実技試験にはいくつかの科目があります。実技でも難関といわれている項目が「着岸」と「離岸」です。この記事で着岸と離岸のポイントを解説します。

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一級・二級小型船舶免許の実技試験の科目

 

一級・二級小型船舶免許の実技試験は約1時間です。そして、以下の表にある項目順に実施します。

 

1 小型船舶の取扱い

一 発航前の準備及び点検

二 解らん及び係留

三 結索

四 方位測定

2 基本操縦

一 安全確認(見張り及び機関の状態確認)

二 発信、直進及び停止

三 後進

四 変針、旋回及び連続旋回

3 応用操縦

一 人命救助

二 避航操船

三 離岸及び着岸

出典:国土交通省「海事

 

実技試験の着岸と離岸の間に、係留・解らんが入ります。

1.着岸

2.係留・解らん

3.離岸

ただし、実技試験は実際に海に出て船を操縦します。そのため、天候・海面・乗船している人数で出題の順番が変更になることがあります。

どの順番で出題されても対応できるように準備しておくことが大切です。

 

着岸の基本操作

ボートを操作するため、基本操作を身に着けることが大切です。実技試験本番は、試験官に「着岸してください」と言われ、右舷着岸または左舷着岸の指示がでます。

 

もし、右舷着岸または左舷着岸の指示が無いときは、自分で選択しなければいけません。そして操作するときは、以下の順番で声に出してはっきり伝えることが大切です。

 

伝えること

操作のポイント

1.左舷(または右舷)着岸します

●   桟橋に対して20~30度の角度で着岸地点に接近する

●   速度は微速

2.着岸点よし

 

3.前後左右よし

 

4.前進

●   着岸地点の手前(10メートル程度)からエンジンを中立に切り替える

●   ハンドルは桟橋の反対側に切る

●   惰性で着岸地点に行く

5.中立

●   前進の惰力(行き足)が足りないときは、中立にしたり前進に入れたりを繰り返して調節する

●   着岸地点の5~7m手前で中立にし、平行になるように操作する

●   平行にしてからハンドルを中央にする

●   前進の惰力(行き足)を止めるために後進

6.後進

●   中立にする

7.中立よし

 

※後ろにあるボートフックまで行き、着岸するポイントに船を寄せる

8.着岸終了

 

 

「着岸終了」と伝えると一通りの操作が終了します。

 

着岸のポイントは風と微速調整

 

着岸のときに風の影響を受けることは珍しくありません。そのため、風がある場合の対策は重要です。以下から風を3つのパターンに分けて対策を解説します。

 

桟橋側から強風が吹いているとき

 

強風で桟橋側から風が吹いているときのポイントは、進入角度を40~60度を保つことです。なぜなら、微速にして浅い角度で進入しても風に負けてしまうためです。

スピードを落として着岸地点に接近し、速度を微調整しながら船首を近づけ、バウロープでつなぎます。船尾が桟橋に近づいたら成功です。

 

桟橋と平行方向に風が吹いているとき

 

風が桟橋と並行に吹くことがあります。このとき、通常の操作はできません。もし、バウロープで先に固定すると船尾が風に流されます。

 

対策は一旦、着岸地点の沖まで進むことです。このとき、桟橋に対して並行になることが大切です。

桟橋側にハンドルを動かし、エンジンを後進にします。桟橋に船尾が近づいたことを確認し、スターンロープで係留します。

船首が風の力によって桟橋側に引き寄せられたら成功です。このように、先に船首側を桟橋に近づけずに、船尾から近づけることが大切です。

 

桟橋側に向かって風が吹いているとき

 

風が桟橋側に向かって吹いているときの対策は、ボートの全長に対して5倍程度の沖まで移動することです。桟橋からの距離は、ボートの長さを5倍した地点が目安です。

沖に到着したらアンカーを投入し、効いているかを確認します。最後に、アンカーロープを調節すると着岸します。

通常、アンカーロープは1本ですが、2本にしておくと船首と船尾が桟橋に衝突することを防ぐことができます。

 

 

離岸の基本操作

 

離岸時も安全な操作が求められる場面です。この章では離岸の基本操作を解説します。

 

後進離岸の場合

 

後進で離岸するときは「離岸してください」という指示の後に操作を開始します。手順は以下の通りです。

 

 

伝えること

操作のポイント

1.後進離岸します

 

2.中立よし

●   ボートフックを使って桟橋から外す

●   船尾に行き周囲の安全確認を行う

3.船尾まわりよし

●   操縦席に戻り、再度、船周囲の安全確認を目視で行う

4.前後左右よし

 

5.後進よし

●   後進はゆっくり行う

●   徐々に桟橋から離し、船首が桟橋と接触しないかを確認する

6.船首よし

●   微速を保ちながら、出航地点まで後進

●   出航地点に着いたら機関を中立にする

7.中立よし

 

8.後進終了します

 

 

ボートと桟橋が接触すると、破損の原因につながります。そのため、一つひとつの操作を丁寧に行うことが大切です。

 

前進離岸の場合

 

前進離岸を実施することも想定して、以下より手順を確認します。

 

1.すべての係船ロープを外す

2.桟橋から離すためにボートを沖に押して出す

3.ハンドルを桟橋とは反対に切りエンジンを前進にする

4.ハンドルを桟橋方向に戻しながら少しずつ桟橋から離れる。このとき、船尾と桟橋の距離を確認する

5.桟橋からの距離が十分に確保できたらハンドルを徐々に中立にする

6.中立のまま桟橋から離れる

 

離岸のポイントは風とハンドル操作

 

離岸も着岸と同様に、風がポイントです。さらに、ハンドル操作も大切です。次よりバックスプリングを利用したときの離岸方法を解説します。

 

桟橋に向かって風が吹いているとき

 

バックスプリングとフェンダーを可能な限りたくさん用意し、桟橋付近に配置します。最初に、バックスプリングはそのままでロープを外しましょう。

つぎに、桟橋側に一杯までハンドルを操作し、エンジンを前進に切り替えます。ここで、バックスプリングの効果が発揮されるためボートは前進しません。

 

桟橋とボートの角度を確保し、ハンドルを戻します。そして、バックスプリングを外し、後進に切り替えます。桟橋に風が吹いているときは、速やかに桟橋から遠ざかることが大切です。

 

着岸・離岸時に気を付けたい「横圧力」

 

横圧力とは、プロペラが回転し水を押し出すことで横方向に生じる力のことです。プロペラは船尾にあります。そのため、横圧力の影響を受けて前進すると右舷側、後進すると左舷側へ船尾が移動する仕組みです。

 

ただし、横圧力は前進しているときには感じません。ボートのスピードが無く、後進に入れているときに感じます。さらに、舵をまっすぐにしていても船尾は右、船首は左を向きます。そのため、着岸や離岸のときは、操作のときは横圧力を考えることが大切です。

 

係留のポイント

 

着岸をしたら桟橋に係留しなければ、ボートは桟橋から離れます。係留も実技試験に含まれます。試験時間は1分で係留はロープを使用するため、ロープワークは重要です。実技は「係留してください」の指示後に開始します。

 

伝えること

操作のポイント

1.係留します

●   前後の船体側にあるロープを持って船を降りる

【ロープワーク】

●   船尾側を最初に係留する

●   ロープをクリートに結ぶ

※船首側のロープは手に持つまたは、踏んで海に落ちないようにする

●   係留ができたらロープを引っ張り、固定できているかを確認

●   余ったロープは束ねて桟橋に置く

●   反対側も係留する

※ボートが桟橋と平行かを確認。平行でなければ平行にする

2.係留終了しました

 

 

解らんのポイント

 

解らんも実技試験項目のひとつです。「解らんしてください」の合図で始まります。

 

伝えること

操作のポイント

1.解らんします

●   船首と船尾の桟橋側のロープを外す

●   外したロープは握っておく

2.解らん終了しました

●   ロープは握ったまま

 

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一級・二級小型船舶免許の実技試験には着岸・離岸が含まれます。基本操作と合わせて、さまざまな場面を想定した練習が大切です。

 

マリンライセンスロイヤルなら国家試験が免除になり、少人数制で丁寧な指導を受けられます。さらに、プロの指導を直接受けられたり、教習を受けた船で終了審査が受けられたりすることもメリットです。

もし、審査に合格できなくても、合格までのバックアップ体制が整っています。そのため、実技試験が心配な方は、マリンライセンスロイヤルを検討してみましょう。

 

卒業後もマリンライセンスロイヤルでは「離着岸」の操船セミナーなどお客様のニーズに沿った操船セミナーをいくつもご用意。出航前に操船練習ができると人気の操船セミナーが多数揃っています。

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